「キャリアを諦めないでほしい」。女性管理職としてのロールモデルであり続けるプロジェクトマネージャー
濱崎理佳さん
NEC クロスインダストリー ビジネスユニット メディア統括部長
新卒でNECソフトウェア(現・NECソリューションイノベータ)へ入社し、その後NECに移籍。SEからPM、女性管理職と、キャリアを爆速で駆け上がってきました。
趣味は生け花や着付け、観劇など多彩。前へ向かって突き進むために必要な休息は、しっかりとるタイプです。
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マスメディア業界への憧れを抱きながら、SEの道へ
およそ350人が所属する組織の統括部長として、バリバリ働く濱崎さん。幼い頃は「人見知りが激しく、人前で喋れなかった」というから驚きです。一方で「誰よりも負けず嫌い」で、これまで要所要所でその核の部分を発揮しながらキャリアを邁進してきました。
濱崎さんは、中高一貫の女子校から大学の文系学部に進学。就職先として志望していた業界はマスメディアでしたが、OG訪問で出会ったSEの先輩に憧れたことを機に、ITサービス事業にも興味を持ち始めました。
業界研究を進めると、マスメディアに欠かせない放送設備も実はシステムで動いていることがわかりました。理系知識やコンピュータに苦手意識はなく、SEなら手に職もつけられる。そう考えた濱崎さんは、新卒でNECソフトウェア(現・NECソリューションイノベータ)へ入社。以来3年間の異動期間を除けばキャリアのほとんどを情報設備系の部署で歩んできました。
「裁量をもってプロジェクトを進めたい」。SEからPM(管理職)を目指す決断
文系出身で、システムにふれるのは初めてのこと。そのため、研修中は同期たちの中で打ちのめされることも一度ではありませんでした。配属後も“女性はお客さんの前には出ないもの”と決めつけられてしまう日々。さまざまなハードルが立ちはだかる中、「やったことがないのだから当たり前」と歯を食いしばりながら、毎日プログラムを作り続けました。
SEとして顧客と接する機会が増えてきたころ、プログラムの中身がわかる濱崎さんは、先方が求める仕様や工数、予算感についてより解像度の高い交渉ができるようになっていました。
するとどんどん、提案から予算のコントロール、納品後の保守まですべて、自分の裁量と責任で請け負いたいという想いが募ります。社内的にはマネージャー(管理職)がPMにあたるため、濱崎さんはいよいよ管理職を目指すことにしました。
キャリアに悩むすべての女性に伝えたい「とりあえずやってみてから考えよ」
技術職ということもあり、入社当時の女性社員の割合はわずか2割ほど。結婚や出産・子育てなどのライフステージで自分のキャリアを一歩引いて考えてしまう女性社員たちに囲まれ、ロールモデルとなるような女性管理職の不在を気にしつつも濱崎さんは昇進を重ねてきました。
今後もキャリアを駆け上がっていくつもりなのかを尋ねると、「それはまだわかりません。でも定年までまだまだ時間はあるのに、ずっと同じポストでいるのは限界を迎えたみたいで嫌かもしれません」と、負けず嫌いの一面をのぞかせます。
「私の経験上、裁量があるほうが意外と働きやすいと思うんです。とりあえずやってみて、大変だったらそのときまた考えればいい。だから、世の中の女性たちにはぜひ管理職にチャレンジしてほしいと思っています」。
女性管理職としてのロールモデルをひた走る濱崎さん。彼女が歩いてきた道は、キャリアに悩める多くの女性社員たちを力強く支えていくことでしょう。
ライター:安藤未来 グラフィックレコーディング:岸智子 インタビュアー:菊池 由美子、石鍋 和佳子、小川原 陽子