プロジェクトマネジメントの知見を自社に標準化させる!プロジェクト品質を高めることで会社を支えるチームマネージャー
赤澤なぎささん
IT企業のプロジェクトマネジメント推進
プロジェクトマネージャーを育成する部署に従事。
全社のプロジェクト品質を高めるため、日々PMBOK®での勉強も欠かせません。
子育てにもタスク管理能力を活かし、女性管理職として昇進を目指しながら邁進しています。
赤澤さんのコメント動画はこちら↓
英語ができることで入社したIT企業。プログラムから品質管理までをこなし、PM育成チームにジョイン
就職氷河期のさなか、英文系大学から地元のIT企業に進み、11年ものキャリアを歩んできた赤澤さん。
入社のきっかけを聞くと、「採用担当の人に『英語ができるならプログラミングもできるよ』と言われて。まったくの畑違いでしたが、気軽な気持ちで入社を決めました」とほほえみます。
入社1年間はプログラマーとして仕事に従事したのち、2年目からは品質管理チームへ。
システムを“作る側”と“使う側”のギャップを埋める第三者テストにおいて、どのような筋道でテストを実施するのか、どんなテストが効果的なのかを考える仕事です。
しかしほどなくして会社の組織編成があり、赤澤さんは新設の部署へ。現在はプロジェクトマネージャーを育成するチームに所属しています。
「プロダクト品質をミクロで見る立場から、全社のプロジェクト品質をマクロで見渡す立場になりました」
プロダクト品質からプロジェクト品質へ。全社を見渡せることがやりがいにつながる
赤澤さんの会社では年1回、安全性や品質をテーマに、成果発表やナレッジ共有を行うプレゼン大会が開催されています。テスター時代にこのイベントに参加した赤澤さんは、品質についてのプレゼンで出場し、なんと優勝を勝ち取りました。
会社としても品質向上に注力するタイミング。このイベントでの優勝を機に、今の部署への誘いがあったのだそうです。
現在はプロジェクトマネージャーの育成を主として、全社のプロジェクトに目を向けています。たとえば社内外問わずPMにインタビューを行うことで実例を収集しながら、自社のPM育成に活かせないかを考えています。
インタビューを進めるうちに赤澤さんは、PMのタスクは定義付けが難しく、自社なりに標準化することが大切だと気付きます。
その際に役立っているのが、「PMBOK®」です。
会社や部署の文化、仕組み上、どうしても成し得ないことはありつつも、ほぼ毎日「PMBOK®」を参照しつつ活用しています。
また月に1回行われる経営陣との会議では、現状説明だけでなく改善提案も行います。
たとえば、品質を作り込むためにはテスト期間やコストを見積もり段階で入れておく必要がある…そのようにして、内部からプロジェクトを円滑に遂行できるよう、働きかけています。
子育てをしながら、自身のスキル習得にも日々邁進
赤澤さんは現在、3歳と1歳のお母さん。子育てをしながら、チームマネージャーを務めています。
「PMBOK®を学んでしまったから余計そう感じるのかもしれませんが、私は仕事をタスクで捉える傾向があって、子育てにもそれが応用できる!と気づきました」
PMP資格は、2人目の子の産休に入ってすぐに取得しました。そして出産後の育休中には、PMIの女性コミュニティにジョイン。
仕事やプライベートをタスクと捉えることで、活動の幅を広げながら子育てをこなし、さらに自身のスキルアップにも余念がありません。
そんな赤澤さんの最近の息抜きは、子どもが寝静まった後に旦那さんと過ごす時間。
お茶の先生をしている旦那さんが点ててくれたお抹茶を、こだわりの和菓子と一緒にいただく時間が今の一番の息抜きなのだそうです。
今後について尋ねると、「自社では現状難しいとされている、サーバントリーダーシップによってアジャイル開発がうまくいっている事例を間近で見聞きし、その知見を今の会社に持って帰りたい」と話します。
「この仕事でもっと続けたいし、昇進も目指したいと思っています」と目を輝かせる赤澤さんの、今後の発展的活躍が楽しみです。
ライター:安藤未来 グラフィックレコーディング:岸智子
インタビュアー:中村ますみ、菊池由美子、永合由美子