


技術だけでは解決できない——現場で学んだ「マネジメントの本質」を伝え続ける講師
最上千佳子さん
株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック 取締役
システムエンジニアとして経験を積んだのち、日本クイント株式会社の 代表取締役に就任。同社とITプレナーズジャパン・アジアパシフィック株式会社の合併を経て現職。ITIL®やアジャイルの講師・コンサルタントとして活躍する一方、「日本ティラノサウルス競技連盟」公認のティラ活アイドルという異色の顔も持っています。
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SE時代の難局に導かれたマネジメントの道

株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィックの取締役として、幅広いITサービスマネジメントの講師・コンサルティングに従事している最上さん。
「実はこれまで、正式なプロジェクト・マネジャーになったことはないんです」と笑う最上さんですが、キャリアを通じてさまざまな場面でマネジメントに深く関わってきたことが見て取れます。最上さんはなぜ、マネジメントの道を歩むことになったのでしょうか。
キャリアのスタートは、SEでした。オープン系システムの提案や設計、構築、運用、サービス企画…と幅広く携わるほか、導入したシステムのユーザー教育やマニュアル作りを担うなど、今につながる経験を積み重ねたのがこの時期です。
とりわけ印象に残っている出来事は、「情報の二重管理を指摘したことがきっかけで、事態が解決に向けて大きく動いたこと」と「マネジメントのレベルが低いために顧客とのコミュニケーションに課題を抱えたプロジェクトへの参画」と話します。奮闘するメンバーを間近で見てきた経験から、「マネジメントの考え方を知っていれば救われる人がもっといるはずだ」と考えるように。この思いこそが、今のキャリアにつながる原点となりました。

技術だけでは解決できない。大切なのは目的思考

「マネジメントは管理職だけが知るべき特別なスキルではなく、担当者も知るべきであり、仕事だけではなく人生全般に使えるものであることを伝えたい」。
そのための手段として、最上さんはITIL®の講師となることを選びました。
オランダに本社を置くQuint Wellington Redwood社の日本拠点・日本クイント株式会社に転職し、ITIL®講師としての歩みが本格的にスタート。ITIL®の学びを通して、日本と海外ではマネジメントの手法や考え方が大きく異なることを知り、物事を俯瞰し、見方を変えることでの大切さを実感したそうです。その4年後には代表取締役に就任し、さらに、ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック株式会社との合併により同社の取締役に就任。サービスマネジメントやアジャイル、組織改革の研修、講演、コンサルティングを活動の主軸にしながら、経営にも携わっています。
研修では、現場のメンバーから経営層、プロジェクトやプロダクトの責任者まで、さまざまな立場の人に向き合います。そこで伝えたいことは、知識そのものより、自分自身で考えるための視点です。そして可能であれば「1人だけが学ぶ」よりも、「同じ現場から3人以上が学ぶこと」をお勧めしたいと語ります。共通の知識があれば、それをきっかけに議論が生まれ、現場を変えることができるからです。
共通言語を持つという意味で、PMBOK®やITIL®などのフレームワークを学ぶことには意味がある、と最上さん。しかし、知識を得たからといってマネジメントができるようになるわけでも、成功するわけでもありません。結局「なんのために行うのか」、目的思考と熱意が大切だと語ります。

「やってみたい」を形にしながら、次の世代に「見方を変えるきっかけ」を

